土田 ヒロミ「砂を数える」 写真展

2014年10月31日(金)〜11月29日(土) 作家略歴     オリジナルプリント 写真集

 
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「砂を数える」

私が人の群れに視線を向け始めたのは、 1974年頃です。

それまですすめていた”俗神のシリーズ”が終わりに近づき新たな模索の中からカタチをとって現れ始めていたのが群衆でした。
『俗神』は、過去をフィードバックする方法論をとりながら、自分自身の深層を探ろうとした作業でしたが、『砂を数える』は、都市に土着してい く己の同時代的な状況を探ろうという意志からの作業です。

1977年に最初の個展「砂を数える」(新宿ミノルタ・フォトスペース)を開催。

この段階では、方法論的な確立が混濁していたので、そこから、さらに撮りすすめて1985年に第2回目の個展(銀座ニコンサロン)を開催。そ の後も、長々と終わりを見い出せられないままに継続していくことになりますが、終止を決断したのは1989年です。その年、昭和天皇の崩御。 皇居前に、地中から湧き現れ出してきたように見えた群衆。そして、もう一人の天才の死。美空ひばりの葬儀に青山斎場を幾十にも取り巻いた群衆の渦でした。これらの群れに浸りながら、一つの時代が終わったことを実感する自分がありました。

土田ヒロミ


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