亀山 仁  写真展

Thanaka II 雨安居

2015年12月4日(金) - 26日(土)

作家略歴
 写真集


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 雨季の最盛期になる7月から10月の満月までミャンマーの仏教徒は雨安居の期間に入る。 雨安居は悟りを開いた釈迦が弟子5人に教えを説いた時期とされ、 3カ月のあいだ僧侶たちは遊行に出ることをせず僧院で修行に励み、病気などを除き外泊が許されない。
 ミャンマーでは結婚式や引越し、会社設立など慶事に僧侶を招き盛大に寄進をする習慣がある。 しかし雨安居の期間は僧侶が修行に籠るため慶事は控えることになり、 ふだん以上に僧院へ通い寄進に励み得を積む。 彼らに聞くと雨安居明けが待ち遠しいと話しつつも 今は僧院へ毎日寄進に行くのが得を沢山積むことになると力強く話す人も多い。
 昨今、ミャンマーは軍事政権から民主化へと急速に動き始め、 この先市場開放路線のもと都市部から開発が進んでいくのだろう。 私は時間と利益追求に追われる日本の東京という都市で生きているが、 欧米型消費社会を目指す環境の変化が彼らの生活に影響を与え初めているかも知れない。 しかし雨安居明けを待ちながら静かに仏教徒として暮らす彼らを見ていると 今のところ気質に変わりは無いと思える。

亀山 仁

 


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