劉振祥  写真展
The social scene in Taiwan


2016年5月6日(金) -28日(土)

作家HP










Copyright (c) Liu Chen-Hsiang All Rights Reserved

1986年、ブラックリストに名前を載せられた反体制者たちの帰国を歓迎しようと、民主政治を求める人々が集結した。
ところが彼らは、機動隊による、盾、拒馬、そして催涙ガスによる洗礼を受けた。
人々は路上で「黄昏のなかの我が故郷」を歌っていた。
当時漂っていた汗と血のまざるしょっぱい匂いは今でも空気中に漂っているように思う。
この事件は台湾で起きた大衆運動の中でも、最も大規模なものであった。
台湾では1949年から38年にわたり戒厳令下にあり、1987年に解除される。

私が被写体とするのは、高雄市の港で潜る子どもたち、嘉義市で牛車を引く年老いた農家、台北の寺院祭で仏像を運ぶ僧侶たち、ひざまずき祈りを捧げる酔っぱらいの男、野外劇場の舞台裏で赤ん坊を抱き抱える舞台女優、そして劇場の踊り子たち。

私はこれらの被写体を行き来しながら、野蛮に荒れ狂った80年代と、台湾の戒厳令下で自由と人権を求めた人々の社会的背景を記録した。


(株)冬青社  〒164-0011 東京都中野区中央5-18-20  tel.03-3380-7123  fax.03-3380-7121  e-mail:gallery@tosei-sha.jp