宇井眞紀子 写真展

アイヌ、いのちの営み

2018年2月2日(金) -24日(土)

作家略歴


ゼラチンシルバープリント

  


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 1992年の夏、「ダムを造ることは、母なる大地の血管を塞ぎ、養分を運ぶ血流を止めること」「自然を保護するなんて大それたこと、だって人間は自然の中で生かされているのだから」という文章に出会った。豊かな自然とアイヌの聖地を伝えていきたいと訴えるそのアイヌ女性に会いたくて、北海道・平取町二風谷を訪ねた。
 その女性、アシリレラさんは、実子の他、たくさんの子どもたちを里子や養子として育てるビッグママ。
「祈り」があり「感謝」があるアシリレラ・ファミリーの暮らしは、「命」をいただいて生きていること、そして自分自身の「命」についても感じることのできる暮らしだった。
 アイヌの世界観では、小さな子どもが誤ってコップの水をこぼしてしまった時などに次のように言う。「あ〜、そこに水を飲みたい人(カムイ)がいたんだね〜。」そんなおおらかな心で、かつ鮮やかな感性を持って、無二の瞬間を切り取っていきたいと思った。

                                            宇井眞紀子


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