「DRAGONFLY」
尾仲 浩二
Koji ONAKA
2007年7月発行
3,500円+税
並製本/写真96点
サイズ 226×200×10mm
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聞いたわけではないが、尾仲浩二は、自分の気に入った風景を見つける嗅覚が利くのだろう。
写真集として集約された結果だけを見ると、そういう印象を受ける。
尾仲にとって、日本を歩くことは、いわばメシのタネであるが、どうしてもこの土地でなくてはならないという、切羽つまった思い込みはないのかもしれない。
そういうことでは、このような写真は撮れない。ごく気楽に旅に出て、気に入った風景を切り取ってこれれば、それは、最高の一日なのである。
尾仲の写真には、すべて既視感があるのは、彼の作為にみごとハマったことになるのだが、それはそれでいいわけで、見た方もいい気になって、写真家の追体験ができれば、いい一日だったということができるという、いたってシンプルな構造なのである。 |
「GRASSHOPPER」
尾仲 浩二
Koji ONAKA
2006年5月発行
3,675円(税込)
並製本/写真93点
サイズ 226×200×10mm
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2001年から2005年にかけての、日本のあちこちのすがれたまち・村の風景を求めての旅の写真である。
どの写真も、見せかけの繁栄とは無縁の風景が切り取られており、正直な日本の姿のひとつである。どの写真も人跡未踏の土地はなく、中心から外れて入るけれど、何とか人が住んでいる痕跡が垣間見えるのはなんともいじらしい。
尾仲は,世界のどこへ出かけても、尾仲の写真を切り取ってくる。それは、執拗に自分のテイストに会った風景との出会いを求めて、ひたすら地を歩くことによってそれは得られたのだ。
目的はそれ以外にはなく、大上段に「日本風景論」を唱えてやろうという気はさらさらない。ただひたすら、わたしの風景を求めて歩く、歩く。
今どき、尾仲ほどニッポンを歩いている写真家はいないだろうが、その適度な湿感の効果からか、訪れたどのまち・村も、いとおしくなってくるのである。 |