北井 一夫 写真展「ツバキと電線」

2005年9月3日(土)〜29日(木) 作家略歴     オリジナルプリント 写真集

Gelatin silver prints, 11x14inches, edition of 5, with Kazuo Kitaii's signature and edition notations

       
Copyright (c) Kazuo Kitai All Rights Reserved

大きな老木の近くに寄ると、どこかほっと安心したような気持ちになる。

家の近所の私の散歩コースでいつも最初に立ち寄るところに、
町内で光明寺とも八坂神社とも呼ばれる古い神仏混淆の場所があって、
境内にケヤキの大木が5本とヤブツバキの老木が1本、イチョウとサクラの大木がそれぞれ1本あり、
千葉県船橋市名木10選に入る、知る人は知っている散歩コースになっている。
市内でもあまり有名ではないので訪れる人はまずいない静かな場所である。

ここが春になると、毎年おびただしい数のツバキの花が咲き、境内はまっ赤になる。
春の私の散歩コースは、まっ赤になったツバキの老木を見たあと、町内の曲がりくねった路地の上の狭い空、
大通りの上の広い空に、黒ぐろと描いた素描画のような電線をたどっての散歩が、
ここ数年の定番になっている。

都会の空に張り巡らされた電線は、現代の情報と会話が往来する第2の公道のようだ。
私の春の散歩コースのクライマックスの赤いツバキと現代情報社会の象徴の黒い電線を写真に撮ってみた。

北井一夫


(株)冬青社  〒164-0011 東京都中野区中央5-18-20  tel.03-3380-7123  fax.03-3380-7121  e-mail:gallery@tosei-sha.jp